KELUNは3ピースのロックバンドだ。ギター、ベース、ドラムの3人で構成され、ロックを演奏するには必要最少限とも言われる形である。
「音数が少ないほうがギリギリのせめぎ合いができるねん」(bass佐藤周作)「それぞれの楽器の活躍の自由度が大きいしね」(guitar/vocal児嶋亮介)「やっぱ3人のバンドってかっこいいんですよね」(drums梶谷雅弘)。
まずドラムは土台となるリズムを刻む。次に4本の太い弦を持つベースが、低音を鳴らしてドラムに絡み、サウンド全体の”推進力”となるビートの動きを作っていく。その上に、ギターの弦が6本。
ちょっと耳を澄ませば、誰がどの音を鳴らしているのか、すぐにわかってしまう。ごまかしようがない構成。たがいにカバーできない武器3つ=3人で戦うリスキーなスリリングさが、3ピース・ロックバンドのスタイルなのだ。
KELUN結成前は、それぞれ4人編成のバンドをやっていた彼ら。3人が最初に出会ったのは、高円寺の安いホルモン屋。前のバンドが解散へと向かっていた児嶋が誘い、「対バン(=ライブで別のバンドと共演すること)したことありましたよね?くらいの関係」(梶谷)から、KELUN結成への道のりは始まった。
バンドというものは恋愛ににていると、彼らは言う。
「“一緒にやったらいいものができるから、やろうぜ”しか結びつきがないから。この人とやりたいという思いだけで、繋がっている」(児嶋)
「いい女がいたら、揉みしだきたくなるじゃないすか。バンド遍歴を恋愛にたとえると、昼ドラばりにドロドロとちゃうか?(笑)」(佐藤)
「……てへへ(照笑)」(梶谷)
思いやりや遠慮や上辺よりも、理想がダントツで優先するぶんだけ、ピュアで激しい“恋愛模様”が展開されるのがロックバンドの常。「自分にない要素がほしい。我を出しても潰し合わず、全員が戦える形でやりたかった」(児嶋)
結果、妥協なく出てきたのが超ソリッドなKELUNの音だった。

KELUNのライブは熱い。総音量がドデカいのは基本だが、ベースの佐藤が嬉しがって飛んで、体や楽器をぶつけたり、コケたりする。アンプと楽器を繋ぐ線が抜ける。音が出なくなる……
「あ、ベースの音が鳴ってないってこと……あるよね」(梶谷)
「気合いの現れ、および不注意、…もしくはそういうアレンジやったか?」とトボケる佐藤に、「違う!」とツッコむ児嶋。「3のハズが2.5ピースくらいになっている箇所が、レアな聴き所かもしれません!(笑)」
激しいパフォーマンス中の彼らには、何が起こるかわからない。
今回の音魂ライブの開催は、4月29日。最後に、この春新生活を始める人へのメッセージを訊いた。
「必ずしも前向きでなくてもいいのでは? つまらねぇ、なんかやりてぇという思いが蓄積するのは、僕はいいことだと思うんですよ。悶々としている時はすればいい。弓を強く引けば矢が強く飛んでいくように、ある時、何かがきっかけとなって、必ず爆発しますから」(児嶋)
酸いも甘いも乗り越えたメンバーの悶々が反転して、彼らもブッ飛んで行く時を迎えているのだ。
音魂LIVEでは、“出会い”に乗じて解き放たれた三本の矢が、力一杯飛ぶ先を、目撃せよ!
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